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奄美大島で観察出来る代表的な生き物

アマミノクロウサギ

アマミノクロウサギ

アマミノクロウサギ

ウサギ目ウサギ科アマミノクロウサギ Pentalagus furnessi

奄美大島と徳之島にのみ棲息する。1921年に国の天然記念物、1963年に特別天然記念物に指定されている。

170万年前~130万年前、および約40万年前の沖縄の地層から、別種のアマミノクロウサギ属の動物の化石が発見されています。また、祖先種は東欧やユーラシア大陸で見つかっているが、捕食や競合により分布域を縮小したと考えられる。

温暖化による海面の上昇に伴い琉球列島が隔離されたが、奄美大島や徳之島には天敵が入ってこなかったため、絶滅を免れたと考えられています。


繁殖時期、春や秋頃に繁殖用の巣穴を掘り、子供を1匹産む。メスは幼獣のいる巣穴に立ち寄って授乳し、授乳が終わると巣穴の入り口を塞ぐ。生後約2ヶ月で巣穴の外に出るようになる。

1950年以降のパルプ材目的の森林伐採や道路建設、河川改修などによる生息地の破壊・分断、また交通事故や人為的に移入された野犬や野猫、フィリマングースなどの捕食などにより本種の生息数は減少したが、フィリマングースの防除事業が進められ、フィリマングースの減少に伴いアマミノクロウサギの生息数も回復傾向にある。アマミノクロウサギの数が増え、交通事故による事故死が増えてきている。

ケナガネズミ

ケナガネズミ

ケナガネズミ

ネズミ科ケナガネズミ属ケナガネズミ Diplothrix legata

沖縄島北部、奄美大島、徳之島の固有種

体長22~33センチ 尾の先端が白く毛が長い 樹上棲で樹洞に木の枝や枯れ葉などで球状の巣を作る。夜行性でシイ類の果実やサツマイモ、昆虫などを食べる。

1972年に国の天然記念物に指定され2016年に種の保存法により国内希少野生動物種に指定されている。

繁殖時期は秋季から初冬にかけて交尾し、晩秋から冬期に2~5頭の子を産む。



アマミトゲネズミ

アマミトゲネズミ 写真提供:後藤義仁さん

アマミトゲネズミ 写真提供:後藤義仁さん

ネズミ科トゲネズミ属アマミトゲネズミ Tokudaia osimensis

奄美大島の固有種でトゲネズミとして1972年に国の天然記念物に指定。

体長8.9~16センチ。背中の被毛が棘状になっているが、他の毛より少し硬い程度。沖縄島や徳之島にいるトゲネズミとは別種で、オキナワトゲネズミ、トクノシマトゲネズミとして独立種である。

食性は雑食でスダジイの果実、サツマイモ、アリなどを食べる。捕食者はハブ。繁殖は10月から12月に1~7頭の幼獣を産む。

夜行性で林道を走りまわる個体が良く観察される。クマネズミも同様に林道を利用するが、アマミトゲネズミは丸くなり尻尾を上に向け、良く飛び跳ねる。クマネズミはお腹を伸ばしトコトコと歩くので良く観察すると区別することが出来る。

アマミヤマシギ

アマミヤマシギ 写真提供:後藤義仁さん

アマミヤマシギ 写真提供:後藤義仁さん

シギ科ヤマシギ属アマミヤマシギ Scolopax mira

日本固有種。奄美群島および沖縄諸島に生息している。

全長36センチ。近縁種のヤマシギに似るが、足が長く、全体的に黒みがかっている。他のシギ類と比べてもずんぐりとしている。

山地の薄暗い林に生息し、朝夕の薄暗い時間帯や満月の日に活発になる。

繁殖時期は3月から5月頃2個~4個の卵を産み5月には子を連れたアマミヤマシギを観察することが出来る


ルリカケス

ルリカケス 写真提供:後藤義仁さん

ルリカケス 写真提供:後藤義仁さん

スズメ目カラス科カケス属ルリカケス Garrulus lidthi

奄美大島、加計呂麻島、請島に分布し1921年に国の天然記念物に指定された

とても美しい瑠璃色に赤褐色の羽根、くちばしと羽先は白い

山の木の中腹の樹洞の中に巣を作り、2月から5月頃に3〜7個の卵を産む

人家の軒下を利用して巣を作る事もある

夜は林道の電線や枝先で休んでいる所を観察出来る

アカヒゲ

アカヒゲ 写真提供:後藤義仁さん

アカヒゲ 写真提供:後藤義仁さん

  スズメ目ヒタキ科Larvivora属アカヒゲ Larvivora komadori komadori 

夏季に奄美大島、徳之島、男女群島、トカラ列島で繁殖する。冬期になると先島諸島へ移動する。奄美大島や徳之島では周年生息する個体も見られる。1970年に国の天然記念物に指定された。沖縄島北部には固有亜種のホントウアカヒゲ、与那国島には固有亜種のウスアカヒゲが生息する。

アカヒゲのさえずりはとても美しい。
   

オオトラツグミ

オオトラツグミ 写真提供:後藤義仁さん

オオトラツグミ 写真提供:後藤義仁さん

スズメ目ツグミ科オオトラツグミ zoothera dauma major

奄美大島のみに留鳥として生息している。日本の天然記念物に指定。

繁殖期の2月~4月初旬には夜明け前の30分程の暗いうちや夕方暗くなったばかりの頃に澄んだ響きの良い声でさえずる。

枝先にとまって夜をすごす。

イボイモリ

イボイモリ

イボイモリ

イモリ科イボイモリ属イボイモリ echinotriton andersoni

奄美大島、請島、沖縄島、瀬底島、渡嘉敷島、徳之島に分布する。

1978年に沖縄県、2003年に鹿児島県でそれぞれ県の天然記念物に指定されている。2016年に国内希少野生動植物に指定され、卵も含め捕獲・譲渡などが原則禁止されている。

繁殖時期は1月~4月頃で徘徊が始まるので奄美大島ではこの時期が一番観察しやすい。


アマミシリケンイモリ

アマミシリケンイモリ

アマミシリケンイモリ

イモリ科イモリ属アマミシリケンイモリ cynops ensicauda ensicauda

分布:奄美大島、請島、加計呂麻島、与路島

流れの遅い流水域や池・湿原などで繁殖する。奄美大島では9月を過ぎるとほとんどの個体が水場から離れ、繁殖時期の12月頃には沢山観察することができる。

開発による生息地や繁殖池の減少、ペット用の乱獲により、生息数は減少している。

沖縄にはオキナワシリケンイモリが生息する。


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