ヘビを探してみよう!
奄美大島のヘビ
奄美大島には、毒蛇と恐れられているハブ、ヒメハブをはじめ、ガラスヒバァ、ヒャン、アカマタ、リュウキュウアオヘビ、アマミタカチホヘビ、そして移入種のブラーミニメクラヘビの計8種のヘビが生息しています
それぞれ活発に活動する時期や食性が違い、好む環境が変わってきますが、梅雨の時期から活発になる種が多いです
奄美大島ではヘビは冬眠するわけではなく、穴倉などでじっとしていて、冬でも気温の高い夜には活動する個体もいます
ほとんどのヘビは夜行性ですが、昼間に木漏れ日が差し込むような場所で体温を上げるために日光浴をしている個体も良く見かけます
ヘビの種類や大きさにより攻撃的な種がいるので観察時には十分注意してください こちらから近づいてヘビのテリトリーに入らない限りヘビから襲ってくることはありません
むやみに触ろうとしたり、知らずにテリトリーに踏み入ってしまった時が一番危険なので、足元や木の上など周りに十分に注意するようにしましょう
散策時には知らずにテリトリーに入る前に必ず先に見つけるように注意する必要があります
ハブは毒ヘビです 身体をS字形にした体を瞬間的に伸ばすことによって飛びついて相手に咬みつきます 全長の3分の2の距離までが攻撃範囲となります 見かけた場合は最低2mから3mは近寄らないようにしましょう
ハブなどの毒蛇に噛まれると命の危険です 自分だけではなくいろんな方の迷惑にならない様に心がけてください
車の乗り降りをする時は足元を必ずチェック!
ヘビを探してみよう!
ヘビを見慣れていないと中々認識するのが難しいと思います ヘビを見慣れた人と一緒に探してみるのが1番観察出来ます また、ヘビをたくさん観察すればするほどヘビの好む環境が見えてくると思います
※夜間は、ヘビだけではなくウサギやカエル、ネズミ、鳥、昆虫などたくさんの生き物が林道を利用しています。車の運転には十分に注意して走行するようにしてください
リュウキュウアオヘビ
ナミヘビ科アオヘビ属リュウキュウアオヘビ Cycophuops semicarinatus
全長〜100cm 5月から11月頃によく観察できる。昼行性だが、夜間活動する個体も多い。頭部は小さく食性は主にミミズを食べるが、カエルも食べる。
奄美大島では1番個体数が多く、昼間の林内や夜間林道でも見られる 毒は無い
大きくなると威嚇してくる個体もいるが、逃げるのはとても早く斜面を滑り降りていく
かわいい!
アカマタ
ナミヘビ科マダラヘビ属アカマタ
Dinodon semicarinatum
全長〜200㎝ 5月から11月頃に良く観察できる
黄褐色の体に赤と黒の楕円形の横じまが入る 毒は無いが攻撃的でテリトリーに入れば威嚇して攻撃してくる
食性は哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類やウミガメの卵も食べる 天敵のハブを食べる事もある
夜行性で林道や水辺周りなど耕作地や森林、海岸付近まで観察する事が出来る
小型の個体は赤みが強くとても美しいが小さくても噛まれると痛いので注意する事
かわいい!
ガラスヒバァ
ナミヘビ科ヒバカリ属ガラスヒバァ
Hebius pryeri
全長〜110㎝ 5月から11月頃に良く観察できる
体型は細長く体色は黒や黒褐色で、胴に黄色や褐色の帯模様が入る 水辺を好み水田や小型のカエルが多くいる様な場所で良くみられる 毒はあるが毒を分泌する牙が小さく、噛まれただけでは身体に浸透する事はないと言われているが、毒性は強いので注意したい
食性はカエル、魚、ヤモリ、小型のトカゲが主食 動きは俊敏だが、危険を察知すると威嚇してくる
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ヒメハブ
クサリヘビ科ヤマハブ属ヒメハブ
Ovophis okinavensis
全長〜80㎝ 寒さに強く奄美大島では年中観察出来る 梅雨を過ぎて暑くなると標高の高い場所でよく観察出来る
食性は小型から中型のカエル、小型哺乳類、鳥類を捕食する 体色は赤褐色、灰褐色、黒褐色等いろいろ見られる
水田や流れの緩やかな沢など小型のカエルが多く棲む場所でよく観察することが出来る
見かけてもトグロを巻いている個体は殆ど動かないがテリトリーに入ると威嚇してくる
毒ヘビなので噛まれた場合は直ぐに病院へ
踏んづけないように気をつけましょう
かわいい!
ハブ
クサリヘビ科ハブ属ハブ
Protobothrops flavoviridis
全長〜226㎝ 大型のヘビ 5月から11月頃が良く観察出来る 冬でも暖かい日には活動する
夜行性で昼間は穴の中などで休む 平地から山地の森林、草原、水辺、農地や樹上にも生息する ネズミを追って人家周辺にも入り込む
奄美では生態系の頂点に君臨し、猛毒があるために人を山へ近づけさせず奄美の多様な生態系を守ってきた尊い存在 毒がある為に人から嫌われ、市町村が買取り駆除を行なっている(2023.6月現在)
そのため、生息数が年々減少していると考えられる
大型のハブになると、小型のアマミノクロウサギやオットンガエルでも呑み込む事が出来る
主食はネズミ ネズミはハブに睨みつけられると動けなくなると言われている その他、爬虫類やカエル、哺乳類、鳥類を捕食する 天敵はアカマタとハブ取り
海に塩を舐めに来ると言われているが真偽はわからない ウミガメの卵を狙いに来たアカマタを捕食するためなのだろうか
毒がある上にかなり攻撃的 2mから3mは必ず離れて観察や撮影する様にしましょう 近づくと逃げずにすぐさま攻撃体制に入り、体長の3分の2近く飛びかかる事が可能です
電波の通じない山奥で噛まれると大変なことになります
ハブの模様は自然の中に溶け込んでかなり見付けにくいです ハブが見えてないだけでいろんな所に潜んでいます 注意し過ぎるくらい注意しましょう
こわい!かっこいい!かわいい!
ヒャン
コブラ科ワモンベニヘビ属ヒャン(別名:リュウキュウベニヘビ)Sinomicrurus japonicus
全長〜50㎝ 5月頃と9月頃に良く観察出来る
背面の体色は赤褐色や橙色で、5本の暗褐色の縦縞が入る 胴体に6 - 14本の暗色斑が入るが、腹部で繋がらないため環状にならない
「特定動物」に指定されており、人に危害を与える可能性のある動物とされている
毒性は神経毒でハブよりも強いが、頭は小さく大人しい 手に取ると骨の様に硬い尾で突き刺してくる
夜行性で数が少ない事もあり、見かける事は稀である 一見派手な模様に見えるが、草むらだと認識するのは難しい
ヒャンを見るために奄美大島へ訪れる人もしばしばいるくらい人気があるヘビ
ブラーミニメクラヘビやトカゲの幼体を捕食する
かわいい!
アマミタカチホヘビ
タカチホヘビ科タカチホヘビ族アマミタカチホヘビ
Achalinus werneri
全長〜55㎝ 背面の色彩は黒褐色や暗褐色で正中線に沿って黒い縦縞が入る 腹面の色彩は黄色
奄美ではよっぽど条件の良い日にしか出会えない幻のヘビ
大雨の日に地表に出て来る事があるので観察出来るかもしれない
夜行性で森林や水辺の草原、農耕地などに生息する 地中性で、昼間は倒木や石の下、落ち葉の下などで休む
食性はミミズ類を捕食する
他の島のアマミタカチホヘビよりも個体数が少なく見付けにくい
とても細長く小さいので、車で流していては認識出来ないかもしれません
かわいい!